最初に Ollama を動かしたのは、16GB の Mac mini M2 でした。チュートリアルは「コマンド一発でモデルを pull、ローカルでチャットできる」と書いてあったので、ollama run llama3.1:8b を実行。最初の5分は快適。10分目にはファンが唸り、アクティビティモニタのメモリ圧力が赤に変わり、ブラウザのタブ切り替えがコンクリートを引きずるような重さになりました。
学んだこと:Ollama 用に 16GB・24GB・32GB を選ぶとき、「大きいほど常に正解」ではない。モデル+コンテキスト+バックグラウンドアプリが、ユニファイドメモリに収まるかどうかが本質だ。 この記事では、自分が踏んだ罠と、友人に「何を買えばいい?」と聞かれたときの判断フレームをまとめます。無駄な出費と徹夜を減らすための話です。
「GPU ある?」より先に RAM が噛みつく理由
Windows のゲーミングノートでは VRAM ばかり気にします。Apple Silicon Mac では、CPU と GPU が同じユニファイドメモリを共有します。Ollama の重み、推論時の KV キャッシュ、macOS のキャッシュ——全部ここから取られます。公式ドキュメントとコミュニティのベンチマークも一致しています:モデルが大きく、コンテキストが長いほど RAM を食う。アクティビティモニタの「メモリ」行と同じプールです。
罠その1:パラメータ数だけ見て、量子化を無視する。 7B でも Q4_K_M なら約 4〜5GB、Q8 や FP16 なら倍近く。罠その2:OS を忘れる——macOS、ブラウザ、チャット、IDE で 4〜6GB は当たり前。16GB マシンに残るのはモデル用に約 10GB。罠その3は地味:OOM エラーを期待するが、よくあるのは「動くが、地獄のように遅い」。 RAM が足りないと macOS は SSD にスワップ。tokens/s が 30 から 3 に落ち、モデルのせいにしがち——実はディスクが RAM のふりをしている。
16GB:遊べるが、本番向きではない
16GB でも Ollama は動きます——小さなモデル、短いチャット、バックグラウンドを絞るなら、それなりに快適。具体的な適合例:
- お試し:3B〜7B の Q4 モデル(
llama3.2:3b、qwen2.5:7b-instruct-q4_K_Mなど) - 単発の Q&A、メール下書き、短い翻訳
- エージェントなし、複数モデル同時ロードなし、コンテキスト ~16K 以下
自分の典型的な地獄シーン:Chrome(20タブ超)、VS Code、Docker Desktop、8B モデルを 16GB で——クラッシュはしない、「なめらかな死」、1トークン半秒。Docker とタブ半分を閉じると、すぐ速度が戻る。
16GB の結論: Ollama は軽量アシスタント扱い。14B 以上を安定運用するつもりは捨て、OpenClaw・ベクトル DB・ブラウザ自動化をローカルに積み上げない。Gateway を VPS に置き、自宅 Ollama を上流にするなら、16GB は小モデルホストとしては成立——OpenClaw + Ollama ゲートウェイのトラブルシュートを参照。
24GB:2026年、個人開発者のスイートスポット
長期で Ollama を使うなら一つ選ぶなら、24GB が個人開発者に最もよく勧める容量です。実用的な理由:
- 7B〜8B を常駐させつつ、OS と IDE に余裕——毎日アプリを閉じなくていい
- 14B Q4 も多くのワークフローで現実的。コードや長文要約は 7B より明らかに良い
- 8K〜16K コンテキストなら KV キャッシュの増加も管理しやすい
- Ollama に加え、軽量ベクトル DB や Docker 1サービス程度——どちらか一方を諦めなくていい
24GB で 70B が魔法のように動くわけではありません。価値は品質とコストのバランス:Mac mini M4 24GB は 32GB より安く、日常開発+ローカル 8B/14B 推論を快適にこなせます。
見落としがち:Apple のメモリははんだ付け——後から増設不可。「16GB で様子見」は Mac では取り返しのつかない判断。24GB はモデル肥大化への保険——2024年のデフォルトは 7B、2026年は 14B から始める人も多い。追加 8GB は保険料です。
32GB:エージェント、複数モデル、「RAM を数えたくない」層向け
32GB は誰向け?ローカル LLM を週末のおもちゃではなくインフラとして扱う人です。
- 常時 OpenClaw、LangGraph などのスタック、Ollama を上流の一つとして
- 複数の
ollama pullモデル(コード用 7B、執筆用 14B、小さな embed モデル) - コンテキスト 32K+ が日常、または RAG で長文をプロンプトに載せる
- Docker Compose の AI スタック一式——Docker で AI アプリをデプロイとセットのことが多い
32GB でも 70B は飛びません。削れるのは「これ閉じて、あれ開いて」の税。いちばん遅いデバッグは設定ミスより、メモリ崖の上での生活——今日は動く、明日 Notion と Slack が加わって死ぬ。
予算が厳しい?軽い推論は 24GB 本体、重い仕事はクラウド Mac か VPS。 ハードを決める前にクラウド Mac を借りるのと同じ発想——プログラミング学習で Mac か Windows かも参照。
判断表:マーケ文言は無視していい
| 主な用途 | RAM 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| たまにローカルチャット、Ollama CLI を学ぶ | 16GB(可) | 3B〜7B Q4;アプリを閉じ短コンテキストを受け入れる |
| 日常開発+ローカル 7B/8B コーディング支援 | 24GB(推奨) | OS+IDE+モデルが同時にオンライン、安定感 |
| 14B、長めの文書、軽い RAG | 24GB(最低)/ 32GB(余裕) | 14B Q4 約 8〜9GB;キャッシュ込みで 16GB はきつい |
| エージェントスタック+Docker+複数モデル | 32GB | コンポーネント多、ピークと断片化が積み上がる |
| 70B をローカルでフル推論 | コンシューマー級は諦め | クラウド GPU か API;RAM で無理押ししない |
RAM を買う前に試す5つの調整(安上がり)
メモリ増設の前に、これらを試してください——16GB で半年延命した手順です:
- 量子化を賢く選ぶ:まず Q4_K_M か Q5、FP16 ではない。
ollama show <model> --modelfileでサイズ確認。 - コンテキストを上限設定:Modelfile や API で
num_ctx——チャットなら 4K で十分なことが多い。デフォルト 32K 不要。 - 同時ロードは1モデル:
ollama psのあと、不要ならollama stop。 - 重いバックグラウンドを削る:Docker Desktop、Electron IM、Chrome タブ溜め——推論中は Safari か1プロファイル。
- 「使用 GB」よりメモリ圧力:黄・赤の圧力の方がカクつき予測に効く。
さらに細かいノブ:Ollama Modelfile ドキュメント。
何度も見る「血と涙」3話
話1:「16GB で十分、7B だけだから。」 — embed モデルと Open WebUI を追加。3つの食いしん坊、25 tokens/s → 4。Wi‑Fi のせいにした。
話2:「32GB 払った、無敵。」 — それでも FP16 寄り、32K コンテキスト、Chrome 全開。70B は依然スワップ。容量はモデルを縮めない。
話3:「Windows 32GB の方が 16GB Mac より強い。」 — NVIDIA VRAM なら別話。Mac の Ollama ではユニファイドメモリの帯域と共有のおかげ、16GB Mac の方が 16GB iGPU ノートより 7B が安定することも。GB ステッカー比較ではなくプラットフォーム比較を。Apple のApple Silicon ユニファイドメモリ(MLX など)も効く。
まとめ:後悔しない選び方
3つの質問:
- 実際に回すモデルサイズは? 7B/8B 定番 → 24GB;3B お試し → 16GB 許容;14B+ やスタック → 32GB。
- 推論中にアプリを閉じられる? 閉じられない → 16GB は買わない。
- 後から RAM 増設できる? Mac では不可——小さく買うのは永続的ミス。デスクトップ Windows は増設可だが、Ollama+CUDA は別レーン。
2026年の私見:本気の Ollama 開発コパイロットは 24GB からコスパ良し;エージェント派でメモリ管理を拒否するなら 32GB;16GB は軽い実験のみ——目を開けて。「RAM 多ければ常に勝ち」を崇めないが、KV キャッシュと長コンテキスト——静かなメモリ怪物——も侮らないで。
一言で:Ollama のソフト障壁は低い;ハードはまずユニファイドメモリに当たる。16 / 24 / 32 GB を注文する前にモデル tier とワークフローを知れば、金も叫ぶファンの夜も節約できる。
快適なローカル Ollama には適切な tier——クラウド Mac も
Ollama を快適に動かすには十分なユニファイドメモリと帯域が要る。Mac mini M4 の 24GB / 32GB 構成は、寄せ集め PC よりローカル 7B〜14B 推論が落ち着いて回る——静か、低消費電力、常時起動も問題なし。
大きなハード賭けを避けたい、モデルと Xcode 用の第二マシンが欲しい? VPSSpark クラウド Mac サブスクで tier を分けられる——軽い実験はローカル、エージェントとビルドキューはクラウド。